『33度のS公園と、なにもしない男』 | 第三回 完璧な連携と、完璧に余っている人

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公園の施設は閉まっていた。
私はスマホで119番をかける。
「S公園の河川敷、ベンチです」
戻ると、
なーは顔をさらに赤くしながら、
必死に声をかけている。
「大丈夫ですよー」
「ゆっくりでいいですよー」
その声は、
半分は男性に、
半分は自分に向けているようだった。
めがねランナーが戻ってくる。
スポーツドリンクを少しずつ飲ませる。
遠くで、サイレン。
「僕、誘導します」
そう言って、
めがねランナーは自転車で走り出した。
——役割分担、完璧。


救急車が到着し、
男性は担架に乗せられ、
呼吸も落ち着いていった。
「ありがとうございました」
その言葉に、
全員が深く息を吐いた。
そのとき、
なーが小声で言った。
「ねえ……さっきから、
 あの人、何してたの?」
振り返ると、
黒っぽい服の男が立っていた。
……いや。
立っていただけだった。


つづく

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